非暴力平和隊・日本(NPJ) 書籍紹介コーナー 

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「南スーダンにおけるPKOとNGO」 7月6日 広島

■シンポジウム

 「南スーダンにおけるPKOとNGO──ホルタレポートを手がかりとして」

 ●日時: 7月6日(水) 18:00-20:00

 ●会場: 広島市立大学サテライトキャンパス、セミナールーム2
http://www.hiroshima-cu.ac.jp/service/content0020.html

 ●報告:井上実佳(広島修道大学法学部准教授)
 
  報告:メル・ダンカン(国際NGO非暴力平和隊・創設者)

  司会:河上暁弘(広島市立大学広島平和研究所准教授)
 
○参加費: 無料

○共 催: NGO非暴力平和隊・日本、 
     科研「歴史・平和教育と平和博物館」研究会

○連絡先:河上暁弘(広島市立大学広島平和研究所准教授)
      E-Mail:kawakami@peace.hiroshima-cu.ac.jp
      電話 : 082-830-1851 (河上研究室直通)
      ファックス:(082) 830-1812 (大学事務室)

 ○テーマ;
メル・ダンカン氏を迎え、日本国憲法の平和主義のもとでの非軍事
な国際貢献と、「遠いところにある戦争・暴力」のとらえ方を考える

○内容;
2015年9月に「成立」した安全保障関連法が施行されたいま、国連PKO等に参加す
る自衛隊の役割が変化していく可能性があります。また同時に、国連PKOも変化
し続けています。

2015年6月に発表されたホルタ・レポートは、2000年のブラヒ
ミ・レポート以来15年ぶりに国連平和活動を総括し、今後の方向性に関する提言
をしています。

自衛隊が国連PKOに参加している南スーダンにおいて、非軍事に
よる平和構築に取り組んできたのが国際NGOの非暴力平和隊(Nonviolent
Peaceforce)です。非暴力平和隊の活動は、「非武装のPKO」ともいえます。

2015年のホルタ・レポートには非暴力平和隊をはじめとするNGOの経験が大きく
反映されています。このたび、非暴力平和隊の創設者であり、世界の非暴力運動
のリーダーの1人である、米国人メル・ダンカン(Mel Duncan)氏をお招きし、
南スーダンにおける国連PKOとNGO非暴力平和隊の活動について考えるシンポジウ
ムを開催いたします。ひとりでも多くのみなさまのお越しをお待ちしております。


非軍事による平和構築の最前線 ─南スーダン、シリアでのNGO 7月4日 京都

■緊急シンポジウム 

      非軍事による平和構築の最前線
 ─南スーダン、シリアでのNGO活動、カトリック教会の自己改革─

●日時: 7月4日(月) 16:30 - 18:30

●会場: 立命館大学 衣笠キャンパス 恒心館730教室
  交通  http://www.ritsumei.ac.jp/accessmap/kinugasa/
  地図  http://www.ritsumei.ac.jp/campusmap/kinugasa/

●基調報告: メル・ダンカン氏(国際NGO非暴力平和隊・創設者)
(英語。通訳あり)

討論: マイケル・シーゲル 氏 (南山大学社会倫理研究所)

司会: 君島東彦 氏 (立命館大学国際関係学部教授)

○参加費: 無料

○主 催: 立命館大学 国際地域研究所 平和主義研究会

○連絡先: 立命館大学国際地域研究所事務局 
     電話:075-465-8244 E-mail: kokuchi@st.ritsumei.ac.jp

○テーマ:
メル・ダンカン氏の話は、日本国憲法の平和主義のもとで、わたしたちはどれほ
ど大きな非軍事の国際貢献ができるか、深い示唆を与えてくれると思われま
す。

○内容:
いま非軍事による平和構築の可能性を追求する動きがとりわけ2つ
の領域で顕著に見られます。それはNGO活動とカトリック教会を含む宗教界で
す。まず、2000年代始めから非軍事の平和構築の努力を続けてきた国際NGO非暴
力平和隊は、いまとりわけ南スーダンとシリアで活動を展開して、非軍事の平和
構築に挑戦しています。

また、2016年4月11-13日にバチカンで、ローマ教皇庁・
正義と平和評議会と NGOパックス・クリスティの共催で「非暴力と正義の平和──
カトリックの理解と献身」という会議が開かれました。この会議が採択したアピ
ールは、イエスの教えの中心にある戦争否定と非暴力を再確認し、「正しい戦
争」(正戦論)を否定しました。

これらの2つの動きは、まさに日本国憲法の平
和主義と響き合うものであるといえます。バチカンの会議には日本カトリック正
義と平和協議会会長の勝谷司教も参加され、アピールは「日本国憲法9条をまも
るための努力」に触れています。他の宗教者たちも、同じような努力を続けてい
ます。

このたび、国際 NGO非暴力平和隊の創設者であり、4月11-13日のバチカン
の会議に参加した世界の非暴力運動のリーダーの1人、米国人メル・ダンカン
(Mel Duncan)氏をお招きして、非軍事による平和構築の到達点、展望、今後の
課題について語っていただくことにしました。

緊急院内集会 非武装のPKO ─憲法9条を実践する国際NGO─ 7月4日

緊急院内集会 

   非武装のPKO ─憲法9条を実践する国際NGO─

 ●日時: 7月4日(月) 10:00 - 11:45

 ●会場: 参議院議員会館 会議室
  アクセス:東京メトロ永田町駅1番出口から徒歩4分,国会議事堂前駅3番出
口から徒歩7分,溜池山王駅8番出口から徒歩12分

●基調報告: メル・ダンカン氏(国際NGO非暴力平和隊・創設者)(英語。通訳
あり)

○共催: NGO非暴力平和隊・日本、ピースボート

○問い合わせ:非暴力平和隊・日本
  (事務所:〒101-0063 東京都千代田区神田淡路町1-21-7 清和ビル1階A
室) TEL:090-2622-1963 安藤博(非暴力平和隊・日本 事務局長)
  E-mail:office@np.japan.org

 ○内容:
国際NGO非暴力平和隊は、2000年代始めから非軍事の平和構築の努力を
続けてきましたが,いまとりわけ南スーダンとシリアで活動を展開して、非軍事
の平和構築に挑戦しています。このたび、非暴力平和隊の創設者であり、世界の
非暴力運動のリーダーの1人である、米国人メル・ダンカン(Mel Duncan)氏を
お招きして、非軍事による平和構築の到達点、展望、今後の課題について語って
いただくことにしました。

メル・ダンカン氏の話は、日本国憲法の平和主義のもとで、わたしたちはどれほど大きな非軍事の国際貢献ができるか、深い示唆を与えてくれると思われます。ひとりでも多くのみなさまのお越しをお待ちしております。

予約不要、参加費無料です。

非軍事による平和構築の最前線  -南スーダン、シリアでのNGO活動 7月3日

■非軍事による平和構築の最前線
 -南スーダン、シリアでのNGO活動、カトリック教会の自己改革-

 ●日時2016年7月3日(日)14:00~17:00(開場:13:30)
 
●会場:明治学院大学白金校舎本館10F⼤大会議場
   (東京都港区白金台1-2-37)
交通:  http://www.meijigakuin.ac.jp/access/
 地図: http://www.meijigakuin.ac.jp/campus/shirokane/

●基調報告:メル・ダンカン⽒氏(国際NGO⾮非暴力平和隊・創設者)
  討論:山崎龍龍明氏(世界宗教者平和会議理理事)
  討論:君島東彦氏(立命館大学国際関係学部教授)
  司会:高原孝生氏(明治学院大学国際平和研究所所長)
 
○言語:英語(通訳あり)、日本語

○事前申込み不要、参加費無料

 ○共催 明治学院大学国際平和研究所(PRIME)、NGO非暴力平和隊・日本

 ○後援 日本カトリック正義と平和協議会
 
○お問い合わせ:明治学院大学国際平和研究所(PRIME)
   TEL:03-5421-5652  FAX:03-5421-5653
   E-MAIL prime@prime.meijigakuin.ac.jp􀀁
   URL:http://www.meijigakuin.ac.jp/~∼prime/ 􀀁

 ○内容;
国際NGO⾮非暴力平和隊の創設者であり、4月11~13日のバチカンの会議に参加した世界の非暴力運動のリーダーの1人、米国人メル・ダンカン(Mel Duncan)氏をお招きして、⾮非軍事による平和構築の到達点、展望、今後の課題について語っていただくことにしました。

メル・ダンカン氏の話は、日本国憲法の平和主義のもとで、わたしたちはどれほど大きな非軍事の国際貢献
ができるか、深い⽰示唆を与えてくれると思われます。また、世界宗教者平和会議理理事、仏教学者の山崎龍龍明氏からもコメントをいただきます。ひとりでも多くのみなさまのお越しをお待ちしております。


新刊 『ガンジーの教育論』



編集者・翻訳者の片山佳代子さんは 『ガンジー・自立の思想』 (M・K・ガンジー著、地湧社, 1999年)の翻訳者でもあります。



実際にご自身でワタを育て、ガンジーの実践していたチャルカ(糸車での糸紡ぎ)を実践しています。



以下、片山さんのウェブサイトからの本紹介です。



目次もつけました。



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『ガンジーの教育論』 

 M.K.ガンジー著 片山佳代子翻訳・編集、B6版156ページ

 ブイツーソリューション発行・星雲社発売、 2009年9月30日発行

 800円+税 

http://homepage1.nifty.com/kayoko/





 ガンジーは1937年に『新しい基礎教育』を提唱し、教育に関する執筆、講演を精力的に行いました。ガンジー全集より、それらを翻訳して出来上がったのがこの本です。



 書物の知識ばかりを頭に詰め込んでいることが人間を駄目にしている。肉体労働を通した教育が必要だというのが、ガンジーの主張です。非常にユニークな教育論です。



 ユニークではありますが、失業の問題、地球の荒廃、心の荒廃など、今日の私たちが抱えるいろいろな深刻な問題を解決するヒントがある教育論だと思います。



 読んでいただけますと、大変嬉しいです。



 書店を通じて注文できますし、アマゾン等のネットで購入もできます。オンライン書店を含む書店のデータベースに反映され、注文が可能な状態になるのに、2~3週間かかりますので、今しばらくお待ちください。



片山佳代子



Kayokatayama@nifty.com

http://homepage1.nifty.com/kayoko

http://mkgandhi.cocolog-nifty.com/blog/



       『ガンジーの教育論』   



目次



第一章 教育について

 教育とは何か

 教育の目的:人格の涵養

 ゆがめられた教育

 伝統文化を否定する教育



第二章肉体労働について

 アシュラム(道場:共同生活の場)での教育

 肉体労働再考

 村を甦らせる教育

 非暴力の社会を目指して

 アシュラムでの自主的な学び



第三章『新しい基礎教育』とは

 手工芸を用いた教育

 考えるということ

 ダルマ(天の理法)について

 全人的教育

 糸紡ぎを必須科目に



第四章自力でまかなう教育

 肉体労働で知性を発達させ、学校を支える

 生活手段を保証する教育



第五章批判に答えて

 『新しい基礎教育』を導入して

 偏見を超えて

 ある大学教授からの反論

 奨学金ではなく仕事を

 スワラージ(自治・独立)のもとの教育

 奉仕を実践する教育



第六章文字の学習

 文字を教えることだけが教育ではない

 文字を使わない教育の手順

 口頭による教育の利点

 教科書について

 文字の学習について



第七章成人及び女子教育

 成人教育

 女子教育



第八章英語及び西洋の価値観からの解放



  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・







「禅的生活のすすめ―あなたに平和が訪れる 」

「禅的生活のすすめ―あなたに平和が訪れる 」
ティク・ナット・ハン著
塩原通緒訳 アスベクト 2005年3月 289ページ 本体2200円


NPO非暴力平和隊のOさんに
薦められた本。


昨年の夏に、デイヴィッド・グラントさんの
「非暴力ワークショップ」非暴力平和隊主催に
参加した。そのデイヴィッドさんが瞑想をしに
日本にこられていたとかで、瞑想と平和のつながりがわからないとOさんに感想を送ったら、この本を薦められました。


どういっていいのか、とにかく
心に残った本であることは確か。


平和は自分から始まる
 哀れみを深めよりよい平和活動をするためには
 まず自分自身の内面の安定が不可欠
 「環境を守りたいのなら、まず自分を気遣ってください。地球が健全になるかは、あなたが自分の体、意識をどう扱うかにかかっています。そもそも自分の中の汚染や暴力を解決できないのに、どうして自分の外の汚染や暴力を解決できるのでしょう」


真の平和のために 「気づき」を実践する
 自分の考え、行動、行動の結果をきちんと意識すること

 これを習得するために「意識的な呼吸」「意識的な歩行」
 腹式呼吸や心身をくつろがせること


 そして「相互存在(インタービーイング)」
 すべての存在が互いにかかわりあっていることを意識すること


この2つが主な主張でした。
なんか、うかつに行動できなくなった気がする。
自分の家庭や仕事、まずはそれより自分自身を
意識するようになったなあ。


そう、原題は
Creating True Peace
-Ending Violence In Yourself,Your Family,
Your Community,and the World


禅の「ぜ」の字もないのでした。


著者のティク・ナット・ハンさんは
欧米ではダライラマと並んで有名な
大変影響力のある仏教指導者だそうです。

【書籍紹介】「パール判事・・・・東京裁判批判と絶対平和主義」

分厚い講談社文庫を何度か手にとっては本棚に戻していましたので、新聞の書評に魅かれて読みました。
パールさんが、何故「A級戦犯の無罪」を主張したかを知ることが出来、そして ガ
ンディーを指導者と仰ぐ非暴力主義者であり、日本の再軍備や憲法に踏み込んだ発言をしていることを知り ほっとしました。
コメントするだけの力がありませんので 何箇所か 抜粋しておきます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「パール判事・・・・東京裁判批判と絶対平和主義」

            中島 岳志(北大准教授) 白水社
まず パールさんの発言です。
「われわれは、このガンヂーの3つの信念(平和・非暴力・不服従)を忠実に守り、
たたかってきたのであり。」1952年、早稲田大学での講演。  
「再軍備に反対する日本の人たちは、あるいは将来軍備を持つ国に非常に苦しい目にあわされるかも知れないという不安におののくであろう。しかしあえてその苦しみの渦中に未を投ずるとしても、戦争という『悪』に加担しないという信念を堅持されることのほうが、終局において建設的であり勝利であると私は確信している。」1952
年、東京大学での講演。
「無抵抗主義は戦争をより以上の勇気を必要とする。日本は武器をもって無類に勇敢だったが、平和憲法を守ることでも、無類の勇気を世界に示して頂きたい。」1952
年、京都での講演。

  
著者・中島岳志さんの立場はこうです。
「日本の為政者は様々な『過ち』を犯し、『悪事』を行った。またアジア各地では残
虐行為を繰り返し、多大な被害を与えた。その行為は『鬼畜のような性格』をもって
おり、どれほど非難してもし過ぎることはない。」「あくまで国際法上の刑事責任に
おいて『無罪』であるということを主張しただけで、日本の同義的責任までも『無
罪』としたわけではない。」(パール判決書)
「アメリカ追随を深め、イラク戦争をサポートし、憲法9条の改変に突き進む二十一
世紀の日本、パールが生きていれば、このような現状をどのように評するであろうか
? 彼の残したメッセージは、近年の右派論壇にこそ突きつけられている。」(終
章)
「本書ではパールの主張の全体像を提示することを、第一の目的とした。パールのご都合主義的利用が横行する現代日本において、まずパールの発言を体系化しておく必要があると考えたからである。」(あとがき)

臆病者と呼ばれても 良心的兵役拒否者たちの戦い

鞍田です
図書館の 「こども」のコーナーで出会った 二冊目の本です。

「臆病者と呼ばれても 良心的兵役拒否者たちの戦い」

     マーカス・セジウイック 金原瑞人・天川佳代子訳    あかね書房
 第1次世界大戦時の英国の徴兵拒否者2名が主人公です。
 制度としての「徴兵」が始まり、これに抵抗した青年が、フランスの戦線に送り込ま
れ、命令不服従として、軍事裁判で監禁・拷問そして死刑判決。10年に減刑され、3
年後に解放されるまでです。
 主人公の腹を決めた姿勢に感動すると同時に、「徴兵制度開始」とともに 「徴兵反
対市民同盟」という市民団体が、【議論】だけではなく 「良心的兵役拒否を支援する【具
体的な活動】を始めていること、「死刑判決からの減刑」も この活動の影響もあるらしいということに 驚き
ました。

 私どもの これからの生き方として とても刺激されました。
 又、子ども向きの本として このようなものが出版されていることに感動しました。  合掌

心に杭は打たれない いま語りつぐ基地・砂川物語

鞍田です
図書館の 「こども」のコーナーをふと覗いてみたら 2冊の素晴らしいい本に出会いました!
(1)「心に杭は打たれない いま語りつぐ基地・砂川物語」
 児童文学創作グループ・ドラゴンの会(杉田秀子、望月武人、内藤哲彦)   国土社
 朝鮮戦争の時代の出来事を 当事者の曾孫にあたる小学生が 曽祖父・祖父母などに聞きながら 理解してゆくという筋立てですので この出来事を同時代のこととしてご存知ない方にも 飲み込み易く書かれている と思います。

 以下 私ごとです。

 すっかり忘れていましたが、砂川には 学生時代 誰に声をかけられたのか、1日だけ 参加したことがありました。

 尤も その日は何も起こりませんでしたが。

 それでも 「私は『非暴力行動』に参加していたのだ!」 と気付き、何だか誇らしいような気持ちになりました!

                                                            合掌

Unarmed Bodyguards

タイトル:Unarmed Bodyguards: International Accompaniment for the Protection of Human Rights
著者:Liam Mahony, Luis Enrique Eguren




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NPも設立に際し影響を受け、
NPJのメーリングリストでも何度か話に出てきている
Peace Brigades International(国際平和旅団:以下PBI)
についての本を読んだので、鞍田さんに習って
それの感想を紹介したいと思います。

前半は、PBIがProtective Accompaniment(「護衛的
同行」:以下PA)した団体の紹介、PAがその目的である
暴力の抑止をどのように実践しているかの図を使った説明
などと並行してグアテマラでのPBIプロジェクトの歴史を
細かく説明していました。 後半はエルサルバドル、
スリランカ、ハイチなど、PBIが他に活動した国のプロジェクトの
簡単な紹介と、さらにはPBIの今後の課題について
述べてありました。 国連や国際赤十字・赤三日月などの
行った活動についても紹介していました。


1.PAの本当の意味とは?

本の中には、「活動を継続できたのはまさにPBIのお陰だ」
「PAが無かったら、私たちは生きていないだろう」といった
証言がかなり沢山出てきます。著者がPBIの元ボランティア

と言うことを割り引いても、PBIが多くの活動家から命の恩人
として感謝されているのは事実だと思いました(有名な例で
言えば、その中にはノーベル平和賞受賞者である
リゴベルタ・メンチュさんも含まれています)。


実際には、本の中でも著者が認めている通り、

本当にPBIによるPAが活動家たちの命を守ったか、

というのは(理科の実験などと違って)はっきりと証明できず、
それこそ活動家たちの命を狙っていた人に話を聞かないと
分からないことです。 とはいえ、脅迫の電話で
「外国人がいなくなったらすぐに血祭りに挙げてやる」と
いうことを言っていたり、PBIにもっと頻繁にPAを提供して
欲しいと言っていた活動家がPBIボランティアのいない
ときに殺害されるなど、PAによって活動家の命が救われた
事を間接的に示す状況証拠も数多く挙げられています。


それ以上に僕は、PAによって「護衛されている」事に
加えて、PAによってボランティアが活動家を「勇気付けて
いる」事も大きな意味を持っていると思いました。 
PBIボランティアに当てたメッセージの中で、前述のような
命の恩人だから感謝するという内容と並んで多いのが、
「一緒にいてくれてありがとう」「そばにいてくれてありがとう」
というメッセージです。 厳しい状況の中活動をしている
彼らにとって、外国人が自分たちのそばにいてくれ、
彼らの活動を世界中に発信してくれることはとても
勇気付けられることだろうし、それだけでも非常に
大きな価値をもつんだろうな、と読んでいて感じました。


2.PBIとNeutrality

PBIの活動の基軸となるいろいろな理念の一つに
Neutrality(政治的中立)というものがあります。

しかし、本の中の例からはとてもNeutralな団体には

なりきれていない現状を感じました。「Do no harm」(悪影響を
及ぼさない)という、人道支援活動のバイブルのような本を
書いた人も言っていましたが、「紛争地帯では中立の
立場を取るということは不可能だ」、ということなのでしょうか?


グアテマラでのプロジェクトでは、実際にボランティアが
強制的に出国させられたり、「体制を危うくする共産
主義者に協力する外国人」として、政府から疑惑の
目で見られたり。 政府の立場から言えば、政府に対して
行動する活動家をすぐそばで護衛しているPBIは、
どれだけ政治的中立を宣言していても、確かに
反政府的立場を取っているに見えるんだろうな、
と思いました。 


3. 活動に伴う危険

僕がイギリスでPBIの国内広報ボランティアとして
関わっている時、以前コロンビアに行っていた元ボランティアの
「滞在期間中ほとんど危険を感じたことは無い」
という話を聞いていたため、ボランティアに対して危害が
加えられる可能性はほとんど無いのかな、と考えていました。 
しかし、本の中ではPBIの25年に及ぶ歴史の中で、
今まで死者が出なかったのが本当に不思議と
思えるような例が数多く紹介されています。 


例えば、ボランティアのいるPBIの事務所に
手榴弾が投げ込まれた事件がありました。 
結果的に家の部分的な破壊はあっても
ボランティアに死傷者は出なかったのですが、
事件後の調査であと数センチ投げ込まれた場所が
ずれていたら、(ガスか何かに引火して、ということだと
思いますが)家が半壊するぐらいのダメージになり、
多くの怪我人や死者が出ていた可能性がある、
ということでした。


また、エルサルバドルのボランティアは
兵士に拘束され、近くで拷問が行われるのが聞こえる
ような環境で尋問をされたり、脅迫電話を受けている
活動家のそばで待機して一晩を過ごすことの
精神的負担など、実例に伴ってボランティアの仕事に
伴うタフさが紹介されていました。 現在もそうなのか、
はどうかわかりませんが。


4. 課題その1:国家以外のアクターにどう対処していくか

後半部分に書いてあるように、例えばLTTEやコロンビア
などでの麻薬密売組織のような国家以外の勢力による
暴力をどうやって抑止するか?という問題があると思います。 

基本的にPAはボランティアの出身国やネットワークを
確立している国の政府、ないしアムネスティーなどの
人権団体から紛争国の政府にプレッシャーをかけてもらい、
その政府に必要な対策を迫る(あるいはもし政府が
実行犯だったり、影で糸を引いている時にはそれを
辞めさせる)という形で暴力を抑止しています。 


その理屈から言うと、政府及び政府関連による暴力に
対しては効果があっても、政府と全く関わりのない、
あるいは敵対している組織は果たして止められるのでしょうか? 
例えばLTTEが行う犯罪をスリランカ政府に止めさせる
とかは出来ない相談のように思います。 そのような、
政府と反発している勢力による暴力をどのように
防止していくのかは(特にアフガニスタンとか、
コンゴ民主共和国のような、政府があってないような
国において)これからの課題だと思います。


5. 課題その2?:欧米偏重の現状

以前、5月頃NPJのメーリングリストでも

書いたこととかぶるのですが、
ほとんどのボランティアは欧米出身です。

コロンビアやインド、ブラジルにアルゼンチン、

そして日本などからはいるが、

他は全て欧米諸国の出身との事です
(前にも書きましたが、NPとの非常に大きな違いです)。 
やはり、金銭的に仕方ないのでしょうか?


また、外国人でも「白い肌」の持ち主でないと
PAの効果が薄いという事があるかもしれない、と
本の著者たちは疑問を投げかけていました。 
例えばスリランカにおいて、地域の大国である
インド出身のボランティアより、余り関係ない国の
白人ボランティアの方がPAの効果があるように
見受けられる事があったそうです。 
肌の色の違いで、「あ、こいつは明らかに外国人だ」と
分かりやすい、というのもあるのでしょうが、
「有色人種なら見られても気にしないけど、白人だと厄介だ」
などという人種差別的な観点があるとしたら、
悲しい現象だと思いました。極論すれば日本人はPAやるな、
といっているようなものですから。


以上、長文になりましたが、参考になればと思い
読書後の感想を送信します。

                              中原隆伸

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