トルストイ 「胸に手を当てて考えよう」 | 非暴力平和隊・日本(NPJ) 書籍紹介コーナー 

トルストイ 「胸に手を当てて考えよう」

トルストイ 「胸に手を当てて考えよう」 

北御門二郎 訳、地の塩書房、1992年


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


NPJのウェブサイトの参考文献のページで

取り上げていないようですので提案させて戴きます。
理由は 二つあります。


1.本の題名になっている「胸に手を当てて考えよう」は

1904年 日露戦争に際し トルストイが発表した文章で、

自国が当事者である本格的な「戦争」に対し

真っ向から批判している古典的な文章として

今読み直しても全く新鮮な感動を覚えたからです。
当時の安部磯雄との往復書簡なども収められています。


2.巻末の訳者・北御門二郎さんの

「わが若き日の『戦争との戦争』の思い出」を

若い方々に読んで戴きたいと思ってです。


『戦争との戦争』は 反戦運動ではありません。
北御門さんは 1938年(盧溝橋事件の翌年)

トルストイ・カントに学んだものを信念として

徴兵猶予の手続きを放棄したうえで 

銃殺を覚悟して 徴兵検査に出頭しないという行動をとりました。
その前後の状況、心境が 当時の日記などをもとに

赤裸々に記してあります。


ペンを持たれた1976年には

「当時の自分自身がかわいそうで涙がこぼれそうになる」

と書いておられます。