終わらぬ「民族浄化」セルビア・モンテネグロ
著者:木村 元彦 (集英社新書、2005年6月)
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1999年 ハーグ市民アピールで
「非暴力平和隊」を作ろうということになった直接の契機は
ユーゴ紛争・・・NATOのセルビア空爆であったと聞いてから、
自分が 新聞・TVの報道を 通り一遍に
見聞きしていただけであったことに気づき
目に付いたものを読むことにしています。
この本は 木村さんが 2001年から2004年にかけて
コソボ・マケドニア・セルビア・モンテネグロ・ボイボディナを歩き、
そこで見聞きしたことの報告です。
先ず 事態の悲惨さ、むき出しの暴力の怖さに打たれます。
戦争・殺し合いが始まってしまうことは
なんとしても避けなければと 思わざるを得ません。
そして そのような状況を作り出して行く
「普通の」人間の怖さに 言葉を失います。
ここで これを煽る人たちを非難してみても 始まらない。
どうやって 「普通の」人たちが煽られないように してゆけるのでしょうか。
僅かに学んだ「非暴力平和隊」の精神~手法を
どのように この場で活かすことが出来るのでしょうか。
武力が答えにならないという意味では
非暴力介入が最後の選択肢であることを信じますが
では 具体的に どのような道筋で介入できるのか
そして効果は 期待できるのでしょうか。
こうゆうことを考えるうえで とても貴重なルポルタージュとして 読みました。
合掌
くらたあづま