市民的抵抗―非暴力行動の歴史・理論・展望 | 非暴力平和隊・日本(NPJ) 書籍紹介コーナー 

市民的抵抗―非暴力行動の歴史・理論・展望

タイトル:市民的抵抗―非暴力行動の歴史・理論・展望
著者:マイケル ランドル, Michael Randle, 石谷 行, 寺島 俊穂, 田口 江司
(新教出版社、2003年9月、263p、2700円)



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まず 著者についての紹介を抄録します。

「1933年イングランドに生れ ・・・1955年に
〈良心的兵役拒否者〉として登録して以来、
平和運動の担い手となってきた。
ブラッドフォード大学で平和学の修士号を取得」

目次は
第1章 市民的抵抗と〈現実政治〉
第2章 受動的抵抗の進展
第3章 サチーヤグラハから民衆の力へ
第4章 非暴力行動の力学
第5章 代替防衛とは何かー概念の誕生
第6章 市民的防衛の戦略
第7章 民衆のエンパワーメントと民主的諸価値
第8章 1990年代の市民的抵抗

となっています。
歴史を踏まえ 問題点を絞って書かれており
読んでいて勇気を分かち与えられる想いがしました。

とくに「第5章 代替防衛とは何かー概念の誕生」、
「第6章 市民的防衛の戦略」の二つの章は

「市民的抵抗は・・・自国や同盟国を
防衛するための軍備を、
全面的或いは部分的にせよ
要らなくすることまでできるものだろうか。」

という文章にはじまり、
そしてこの問題についての様々な方の意見、
様々な歴史上の事例が紹介されています。

この問題は 憲法9条に対する世論が動揺している今
とても大事な問題であり 
多くの方々にお考え戴きたいと思います。

私は 冒頭の文章に続いて紹介されているバートランド・ラッセルの
1915年の言葉に同感です。

「イギリス国民が一世代にわたる訓練を積めば、
組織的に準備された非協力行動によって
ドイツに占領されても敗北に追い込むことができるであろう。」

又 アダム・ロバーツという方は
「市民的防衛」についての小冊子を編集し・・・

「非暴力行動は、人がそれを受け入れたり
拒絶したりする教義としてでなく、
技術として判定されるべきである。」

と言っておられるそうですが 
私も そのような姿勢で この本を熟読し 
考えてみたいと思っています。             

合掌
                     鞍田東