非暴力平和隊・日本(NPJ) 書籍紹介コーナー  -3ページ目

「きみたちと現代 生きる意味をもとめて」

タイトル:きみたちと現代―生きる意味をもとめて

著者:宮田 光雄

(岩波ジュニア新書、1980年発行、1996年第32刷)

きみたちと現代―生きる意味をもとめて


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


非武装国民抵抗の思想 」 に感激していたところ、

NPJ会員のK子さん(元教員)に

「宮田さんの若い人向けの本を読んだが良かった」

と教えられましたので、図書館で検索し、この本を借り出しました。


「ジュニア新書」など 中学生かせいぜい高校生が読むものだと

思い込んでいましたが、今の私には とても有難い本でした。


内容は (   )内の講演に「手を加えて、まとめたもの」だそうです。

Ⅰ 生きるということ(仙台の高校での講演)
Ⅱ 現代社会に生きる(沖縄での岩波文化講演会)
Ⅲ みんなと生きる(学生聖書研究会修養会での講演)
Ⅳ 平和をつくりだすもの(恵泉女学院創立50周年祈念講演)


何れも 内容の濃い、宮田さんの熱い心が伝わってくる文章です。

とくに「Ⅳ 平和をつくりだすもの」は 

「非武装国民抵抗の思想」を要約して述べて居られると言って良いのでしょう。


以下の4節からなっています。


1 剣をとるものは剣で滅びる

   再軍備が進みつつある中で、戦争経験を受け止めて

   「平和憲法」を採択した経緯と意義が 語られています。
   

   見出しは「軍国主義教育の中で」「敗戦と平和への決意」

   「戦争をしたくなければ平和の備えをせよ」「戦争体験の風化」


2 武器をとらない若もの
   ドイツの良心的兵役拒否を紹介し、すすんで 日本国憲法は

   「日本国民一人びとりが非武装を、良心的兵役拒否を誓った」

   ものであり 「日本国民一人びとりがするどい良心による自覚を

   持つことなしには、この憲法の平和主義は、

   そもそもなりたたない」のだと 熱く説いておられます。
  

   見出しは「徴兵制とウオークマン」「良心による兵役拒否」

   「国民的兵役拒否」


3 非暴力のたたかい
   次のような見出しのもとに 具体的な例を引いて

   「非暴力行動・抵抗」について 述べておられます。
   

   「非武装平和は降参ではない」「伊江島のたたかい」       
   「『非理法権天』の思想」       


4 平和をつくりだすもの
   見出しは、「消極的平和と積極的平和」
   「平和憲法を読みなおす」「みんなと平和に生きる」です。
  


この見出しで分かるように、先ず 「どの国家も国民も、

いわば自分たちにとっての平和を望んでいる」こと、

「生きる上での平等なチャンスを奪われ、

社会的な差別や不正が支配して」いる状態を平和と呼ぶことが

厳しく批判されています。
そして「積極的平和」を「造りだす」ことへの参加が

呼びかけられています。


多くの若い方々に、そして 所謂「平和運動」「護憲運動」の何所かに

何か 飽き足りないものをお感じの方々に お勧めしたいと思いました。


                                   (鞍田 東)

ティク・ナット・ハンさんの新著です

タイトル:禅的生活のすすめ―あなたに平和が訪れる
著者:ティク・ナット・ハン, 塩原 通緒 
(2005年3月、289ページ、本体2200円)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


朝日新聞に 天外伺朗さんという方の書評が載りました。

冒頭「仏教を説く人は多い。が、真の実践をしてきた人は

どれだけいるだろうか」という言葉にはじまる分かりやすい文章でした。


ティク・ナット・ハンさんのものは すでに

ホームページの参考文献に2冊載っています。
しかし、書評に釣られて これも読んでみようと 図書館にリクエストし 

やっと届いたばかりなのですが、先日 郡山に見えた

非暴力平和隊・日本(NPJ)の共同代表である大畑豊さんが

「良い本ですよ」という趣旨のことを話して居られましたので、

まだ読み終えていませんが 安心して 急いで 紹介させていただきます。


こうゆう本の紹介は難しいので 

この方の本をお読みになったことのない方のために
「第1章 真の平和とは何か」 の冒頭の部分をご紹介してみます。

 


 「真の平和はつねに可能です。

 ただし、それには強さと忍耐がいります。

 とても無理だと思うときにも、決してくじけない強さが必要です。

 平和と非暴力を、受け身や弱さと同義だと思っている人がいます。

 しかし平和と非暴力を実践することは、

 まったく受け身などではありません。

 ・・・・・平和を実践するには、勇気がいります。

 とくに戦時中であれば、なおさらです」 



そして この本の最後は 2001年にはじまった

「世界の子供のための平和と非暴力の文化を進める国際十年」に際し

国連が配布した『わたしの平和宣言』です。

一度 書店の店頭で 或いは図書館で 手にとってご覧になりませんか?


                                       鞍田 東

「憲法九条の戦後史」 

タイトル:憲法九条の戦後史
著者:田中 伸尚 (岩波新書 2005.6.21)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

著者の田中伸尚さんは、1941年・東京生まれ。

朝日新聞の記者を経て、現在はノンフィクション・ライターとして

活躍されています。


「ぴーすくらぶ」(いわき市)のばばさんから、

この本に「非暴力平和隊」が紹介されていますよ と教えられました。

図書館に駆けつけてページを開いてみましたら たしかに この本の

「エピローグ 国際社会と九条―-国家中心の安全保障観から

市民中心の創る平和主義へ」(P233~P244)は

全文 「非暴力平和隊」・・・PBIからGPPACまでを含む・・・の説明です。


とても要領よく しかも かなり丁寧に紹介してありますので、

これから 自分で「非暴力平和隊」の説明をしてみよう 

と お考えの方にはレジュメとしても 適当かと思います。

参考文献には非暴力平和隊・日本(NPJ)の

君島東彦・共同代表が第一章を執筆された

「平和・人権・NGO―すべての人が安心して生きるために」(新評論)

しっかり 載っています。


ご参考までに 「エピローグ」の 最初と最後を ご覧にいれます。


 (冒頭)


  「世界の紛争地域に非武装の平和市民活動家が入り、

  非暴力で紛争介入し、平和を築くために環境づくりをする

  国際NGOの非暴力平和隊(NP)がインドで創設されたのは02年末である」


 (文末)


  「私は君島さんとの話を通じて、前文と九条の持つ豊饒さと広がりと

  奥行きの深さを再発見し、新たな可能性を見出した」  


                                       

                                      鞍田東
          

「憲法24条+9条 なぜ男女平等がねらわれるのか」

タイトル: 憲法24条+9条―なぜ男女平等がねらわれるのか
中里見 博


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

このたび 「かもがわブックレット」で

「憲法24条+9条 なぜ男女平等がねらわれるのか」

が出版されました。


私は 24条が何を規定しているのかさえ知りませんでしたが、

これは「婚姻・家族における両性平等」を規定した条文でした。
それでも 今更 「何故 自民党が この規定を?」

「一体 どう変えようとしているの?」という不思議な気持ちでした。


この本によると 自民改憲PTは この規定は

「家族や共同体の価値を重視する観点から見直すべきである」

としているのだそうです。

又、新憲法制定に際して 「最初に論争になった」のが

この条文だったのだそうです。


それにしても「何たる時代錯誤!」と 呆れたのですが、

彼らの真意が『24条の命じる男女平等社会では、

国を守るために立ち上がる男性も、

そうした男性を支える女性も育たない』

という危機感・焦燥感によるものだと解き明かされて

やっと 「なるほど」と納得しました。


非暴力で 人権・民主主義を守ろうという私たちが目指している方向と

全く逆の方向を目指そうとすると 

こういう無理な主張をしなければならないのですね!


「あとがき」で書かれているように 「24条改変の本音を・・・敵失にして、

憲法の基本原理の改変そのものを挫折させる動きにつなげ」るため、

あわせて 昨年以来福島県で 非暴力平和隊の宣伝に

大変な努力をして下さっている

非暴力平和隊・日本(NPJ)の新理事・中里見博さんを

知って戴くため、紹介させて戴きました。 

尚、価格は 600円です。                   

合掌                             (文責:鞍田東)



「暴走するアメリカの世紀 ―平和学は提言する」

タイトル: 暴走するアメリカの世紀―平和学は提言する

著者: ポール ロジャーズ, Paul Rogers, 岡本 三夫



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今まで 戦争と平和の問題を「論じて」いる本は 
雑誌「軍縮問題資料」以外には 読んだことがありませんでした。
しかし 非暴力平和隊・日本(NPJ)の理事になっておられる
岡本三夫先生が監訳しておられるというので
「暴走するアメリカの世紀」(法律文化社・2003年9月発行)
を求め、読んでみました。

予想を裏切る感動でした。

・先ず 明るい将来が開ける可能性についてです。
  
  「一つの可能性は・・・より公正で安定した世界をめざす努力を
  倍増させることである。この方向は、・・・その兆候が
  数多く見られるのであり、理想主義として退けられるべきではない。
  ・・・活動家であれ、学者であれ、政治家であれ・・・
  それをなしうる立場にいる人々の責任は重い」

・もう一つは このような結論に至る検討段階での視野の広さです。

「第5章 新しい安全保障パラダイム」では 
私どもが 夫々に関心を持っている
「貧富の格差」、「貧富の格差の拡大」、「周辺からの反乱」、
「環境からみた『成長の限界』」、「資源紛争」、「気候変動」等に
過不足無く目が配られています。

そして「第6章 安全の喪失」においては「西洋エリート社会の脆弱性」
・・・如何に力ずくの平和確保が困難~不可能であるかが
明らかにされています。

・最後に このような論究の妥当性に納得せざるを得ない 
  著者の「予見・予言能力」です。

この本の第1版は 2000年春3月で、その後
「第8章 9.11と新しいアメリカの世紀」が書かれた
第2版が出ていますが、第6章の終わりに こういう記述があります。

  「ニューヨークの世界貿易センタービル爆破事件・・・が
  初期の計画どおりの結果だったとしたら・・・あの爆破事件に
  ほんのわずかでも関係していると思われる中東の全てのグループに
  暴力的な大規模報復攻撃をしただろう」

私にとっては 貴重な勉強でした。  合掌

                           (文責 NPJ監事・鞍田東)

「スリランカ 暮らしがわかるアジア読本」

タイトル: スリランカ 暮らしがわかるアジア読本
著者: 杉本 良男


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


所要で長時間 電車に乗る機会があり、再読し、

NP(非暴力平和隊)のフィールドワーカーである

大島みどりさんが向き合っておられる現実が 

やっと ほんの少しですが わかりました。

「“スリランカ=シンハラ・タミールの民族紛争”という

 皮相な見方では駄目ですよ」ということを改めて学びました。

これだけなら 両勢力と仲介者の問題になってしまいます。
実は 私も パイロットプロジェクトとはいえ、

「何故、非暴力平和隊が スリランカに必要なのか、

何処に出る幕があるのだろうか」と 思っていたのです。

しかし、この本によれば

 「状況はとても複雑で、簡単に理解できるものではない」

 「タミルーシンハラ間の紛争が解決すれば収まる

  というような簡単なものではない」(P298)

 「シンハラ社会もタミル社会もともに分断するような

  問題である」(P298)


のだそうです。

読んだばかりのことで知ったかぶりをするようで恐縮ですが、

このあたりをいくらかでも理解していないと、

他の方々に 「何故NPがスリランカに?」ということが 

説明できないと つくづく思いました。

私と同じような疑問をお持ちの方には お勧めです。

合掌

                             (鞍田 東)

「自爆攻撃」

タイトル: 自爆攻撃―私を襲った32発の榴弾
著者: 広瀬 公巳


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


お読みになった方 おありでしょうか。


「自らがスリランカで起きた自爆テロの被害者になった放送記者」

が取材し、「憎悪の連鎖を断ち切る努力の重要性を訴える」と 

日経で紹介されていました。


著者の広瀬さんは1963年生まれ。

1999年12月 コロンボで被爆されたそうです。


巻末に 9ページにわたる細かい文字の年表があり 

これだけでも・・・従来全く不勉強だった私にとっては・・・

とても勉強になりそうです。

ご参考までに。
合掌

                             (鞍田 東)

「南アフリカでのサッティヤーグラハの歴史」

とても有名なテーマですが このような本が有るとも知らず、

いわき市立図書館の新着書コーナーで発見してビックリし、

借りて帰ってホームページを見てみましたら、

なんと 既に 「1 非暴力不服従運動の誕生」が

非暴力平和隊・日本(NPJ)のウェブサイトに掲載されていました。

この本は 1924年に出版されています。


南アフリカでの運動は、1906年・ガーンディー23歳のときに始まり、

1914年・45歳のときに 最終的協定が成立しています。

(この間 なんと22年間!「非暴力平和隊」の実現にも執念深い努力が!)


しかし、その「成功を誇る」ために

いわば思い出として書かれたものではありませんでした。


「はじめに」によりますと、この時点・1924年には

インド各地で 広範な・・・挙げられているものだけでも

七つの闘争が行われていて、この闘争のために

「南アフリカでのサッティアーグラハの歴史」が

助けになると考えて書かれたのだそうです。


そのためでしょう、運動の過程でのさまざまなマイナスについて

率直に書かれていることが 印象的でした。 

そのようなガーンディーさんの思いを 

まともに受け取って下さったのでしょう。

訳文は まことに平明で 読みやすい文章になっています。

念のため 目次だけ・・・1 に遡って 掲げてみます。

 

                              (文責 鞍田 東)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


南アフリカでのサッティヤーグラハの歴史(1)

「非暴力不服従運動の誕生」

M.K.ガーンディー 著、田中敏雄 訳、平凡社・東洋文庫




「1 非暴力不服従運動の誕生」


はじめに

第Ⅰ部

1  地理

2  歴史

3  南アフリカへのインド人の到来

4  苦難の回顧―ナタール

5  苦難の回顧(続)―トランスヴァールとほかの植民地

6  インド人たちは何をしたか

7  インド人たちは何をしたか(続)

8  インド人たちは何をしたか(続)―イギリスとの関係

9  ボーア戦争

10 戦争の後で

11 礼節への報復―暗黒法

12 サッティアグラーハの誕生

13 サッティアグラーハ対受動的抵抗

14 イギリスへの代表団

15 邪悪な政策、つかの間の喜び

16 アヘマド・マヘマド・カーチャリアー

17 最初の分裂

18 最初のサッティアグラーヒーの囚人

19 『インディアン・オピニオン』

20 続々と逮捕

21 最初の協定

22 協定への反対―私への攻撃

23 白人の支援者たち

24 内部の意見不一致

訳注



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


南アフリカでのサッティヤーグラハの歴史(2)

「非暴力不服従運動の展開」

M.K.ガーンディー著、田中敏雄 訳、平凡社・東洋文庫




「2 非暴力不服従運動の展開」


第Ⅱ部

1  スマッツ将軍の裏切り(?)

2  闘争再開

3  自発的登録証のホーリー

4  新しい問題を持ち出した、というインド人社会への非難

5  ソーラーブジ―・シャーブルージー・アダージャニャー

6  シュート・ダーウド・マヘマド氏などが闘争に参加

7  国外追放

8  再び代表団

9  トルストイ農場

10 トルストイ農場―2

11 トルストイ農場―3

12 ゴーカレー氏の訪問

13 ゴーカレー氏の訪問(続)

14 約束違反

15 結婚が結婚でなくなった

16 女性たちが監獄に

17 労働者たちの流れ

18 炭鉱主たちのところへ、そしてその後

19 トランスヴァールへ入国

20 トランスヴァールへ入国(続)

21 全員、獄中に

22 試金石

23 終結の始まり

24 暫定的な協定

25 書簡の交換

26 闘争の終わり

終わりに

訳注

解説

サッティアーグラハ闘争略年表

索引              

「非武装国民抵抗の思想」 

タイトル: 非武装国民抵抗の思想
著者: 宮田 光雄 

非武装国民抵抗の思想

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


非暴力平和隊・日本(NPJ)の参考文献として挙がっていましたので

何時かは読んでみようと思っていましたが 

今 読み終えて 素晴らしい本にめぐり合えたと思っています。

 

35年前に書かれた本ですが 全く 「旧く」なっていないことに驚いています。

今 論じられている問題の殆どが すでに 取り上げられ 

方向付けられているのではないかと感じました。

この本をテキストとするオンライン勉強会のようなものが出来ると有難いと思っています。


構成は・・・


第一章  われわれは今どこにいるか


第二章  核の迷信からの脱却


第三章  非武装国民抵抗の構想


  1.非武装の防衛構想

  2.国を守るとは何か

  3.非武装抵抗の形態

  4.非武装と平和外交

  5.国民抵抗と民主主義


第四章  平和のための教育


第五章  良心的兵役拒否の思想


あとがき



・・・となっています。


とても 内容が濃く、考えられるあらゆる問題について

煮詰められた文章で書き込んであり、

1日10ページを読むのが大変でした。


「これを 是非 ご紹介したい、しかし どう纏めたらよいのだろう」と

思いながら読んでいましたが、

本文の最後に 素晴らしい一節がありましたので、

これを抜粋させて戴き、全体を窺っていただく便りとさせて戴きます。



   「(日本国憲法)前文及び第九条は、

   非武装国家の構想をかかげるものであり、

   これは、個人として戦闘のための武器を手にしない

   良心的兵役拒否の原理を国家的規模に

   拡大したものと解することも出来る・・・・

   

   そうであるとすれば、平和憲法は、国民ひとりひとりが

   するどい良心をもった反戦主義者となるのでなければ

   支ええないと言うべきであろう。

   

   (中略)


   憲法が平和原理をかかげたがゆえに安易に平和主義となり、

   それを支えるひとりびとりの主体的責任が忘れられるならば、

   平和の精神は死んでしまうであろう。」



「非暴力平和隊」を 多くの方々に知って戴くことは、

市民の方々に 改めて 非暴力・非武装・憲法などについて

一歩踏み込んで考えていただく契機を提供するという意味でも 

とても大事なことになると感じました。        合掌


                          (2005年6月4日 鞍田東)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


追申


今 評判の村上龍の「半島を出よ」 を 併行して読んでいましたが、

いろいろと 考えさせられたことでした。                           




タイトル: 半島を出よ (上)    
著者: 村上 龍      

軍事主義に対するオルタナティブとしての非暴力平和隊

タイトル: いま平和とは何か―平和学の理論と実践

著者: 藤原 修, 岡本 三夫


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


著者の岡本三夫さんは非暴力平和隊・日本(NPJ)の理事で、

岡本さんが執筆した第4章「平和学へのアプローチ」の中で

非暴力平和隊について言及し、

注には非暴力平和隊・日本(NPJ)のウェブサイトのURLと

君島さんの論文も紹介しています。


非暴力平和隊については


  「絶対平和主義の原理原則を継承するものであり、

  軍事主義に対する示唆に富んだオルタナティブを

  提供しているように思われる。

  特に、完全非武装の市民ボランティアが数百人規模で

  紛争地域へ介入することによる暴力の抑制という斬新な着想は

  これまでになかったものであり・・・」


と述べています。