非暴力平和隊・日本(NPJ) 書籍紹介コーナー  -2ページ目

世界の非暴力運動の現場から

タイトル:世界の非暴力運動の現場から

清末 愛砂 (ピースネット ブックレット<非暴力、そして希望力へ> 

         2006,1発行、50P、500円)


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お読みになった方は多いと思いますので 

紹介というより 感想~反省です。


本書は「ピースネットニュース」に連載したもの。

14篇です。


今更と思われるでしょうが 私は この頃 

やっと 「非暴力平和隊」のPR~支援拡大のためには

単にその思想・歴史・現状を「説明」するだけではなく、

実際に身近な場で適切なテーマと方法で「非暴力行動」を行う、

これに参加して戴くことが必要なのではないかと 

気づきはじめています。

この冊子に紹介されている「現在」世界各地

・・・パレスチナ・スイス・クロアチア・フィンランド・ロンドン・

アイルランド・イスラエル(高速施設内)・バルセロナなど・・・で

様々な形で行われている非暴力行動は 

そのためのヒントとして 受け取らなければならないのでしょう。
そうゆう意味で 薄い本ですが 重い本でした。    


合掌 鞍田東

新版 軍縮の経済学

タイトル:新版 軍縮の政治学

著者:坂本 義和 (岩波新書、1988年)


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「第Ⅳ部 日本の軍事化に代わるもの」のなかの

「もう一つの防衛構想」「自衛の本質は何か」という節に

市民防衛・非暴力抵抗組織について書かれています。


問題提起として「日本での問題は・・・

非武装抵抗・非暴力抵抗を本格的に

組織化することを一度として試みなかったこと、

その意味で非武装と無抵抗とを

実際上混同してきた点にある」と説き、

しめくくりとして「自衛の論理を徹底していけば

非暴力抵抗にいきつかざるを得ないのではないかと思う」

とあります。


憲法9条が問題になっている今

非暴力平和隊・日本(NPJ)としては 

既に18年前に提起されているこのテーマに応える

姿勢を示すべきではないでしょうか。 


合掌  鞍田東

母と子でみる パレスチナ ― 非暴力で占領に立ち向かう

タイトル:パレスチナ―非暴力で占領に立ち向かう
著者:清末 愛砂(草の根出版社、2006.1.11、127P、2,200円)



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非暴力平和隊・日本(NPJ)のメーリング・リスト上での

ご紹介で取り寄せ 毎晩2頁、3頁と 

少しずつ読みました。

いろいろな意味で 読み応えがありました。


目次は


はじめに―イスラエル兵に撃ち殺された15歳の少年モハメッド
1 イスラエルの建国思想シオニズム
2 パレスチナ難民の記憶―難民問題の主体は誰か?
3 占領地で立ち上がるパレスチナ人
4 第二次インティファーダと新たな軍事侵略
5 軍事占領下に生きる人びと―難民キャンプで暮らして
6 イギリスの植民地主義
おわりに


という構成になっています。


これらの内容が すべて 机の上で調べた知識としてではなく

つい最近現地を踏まれた清末さんの生きた言葉で

豊富な写真とともに 語られています。
パレスチナ問題を 自分の問題として学ぼうとする人にとっては

誠に貴重な入門書だと思います。


そして「非暴力で行動するというのが どうゆうことであるか」

ということを パレスチナの人に寄り添っての清末さんの行動の

ご報告によって 厳粛な気持ちで 微かにではありますが

学ぶことができました。


加えて この本の文章を通じて 非暴力平和隊・日本の

理事のお一人である清末さんのお人柄を偲ぶことができ

その非暴力平和隊の一会員であることを

有難く思ったことでした。         


合掌                          鞍田東

市民的抵抗―非暴力行動の歴史・理論・展望

タイトル:市民的抵抗―非暴力行動の歴史・理論・展望
著者:マイケル ランドル, Michael Randle, 石谷 行, 寺島 俊穂, 田口 江司
(新教出版社、2003年9月、263p、2700円)



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まず 著者についての紹介を抄録します。

「1933年イングランドに生れ ・・・1955年に
〈良心的兵役拒否者〉として登録して以来、
平和運動の担い手となってきた。
ブラッドフォード大学で平和学の修士号を取得」

目次は
第1章 市民的抵抗と〈現実政治〉
第2章 受動的抵抗の進展
第3章 サチーヤグラハから民衆の力へ
第4章 非暴力行動の力学
第5章 代替防衛とは何かー概念の誕生
第6章 市民的防衛の戦略
第7章 民衆のエンパワーメントと民主的諸価値
第8章 1990年代の市民的抵抗

となっています。
歴史を踏まえ 問題点を絞って書かれており
読んでいて勇気を分かち与えられる想いがしました。

とくに「第5章 代替防衛とは何かー概念の誕生」、
「第6章 市民的防衛の戦略」の二つの章は

「市民的抵抗は・・・自国や同盟国を
防衛するための軍備を、
全面的或いは部分的にせよ
要らなくすることまでできるものだろうか。」

という文章にはじまり、
そしてこの問題についての様々な方の意見、
様々な歴史上の事例が紹介されています。

この問題は 憲法9条に対する世論が動揺している今
とても大事な問題であり 
多くの方々にお考え戴きたいと思います。

私は 冒頭の文章に続いて紹介されているバートランド・ラッセルの
1915年の言葉に同感です。

「イギリス国民が一世代にわたる訓練を積めば、
組織的に準備された非協力行動によって
ドイツに占領されても敗北に追い込むことができるであろう。」

又 アダム・ロバーツという方は
「市民的防衛」についての小冊子を編集し・・・

「非暴力行動は、人がそれを受け入れたり
拒絶したりする教義としてでなく、
技術として判定されるべきである。」

と言っておられるそうですが 
私も そのような姿勢で この本を熟読し 
考えてみたいと思っています。             

合掌
                     鞍田東

「平和構築」とは何か

タイトル:「平和構築」とは何か―紛争地域の再生のために
著者:山田 満 (1955生、埼玉大学教授 。NGOインターバンドに所属)

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(目次) 

はじめに ― 「人間の安全保障」からみた平和構築 

第1章 憎悪の実態と紛争社会の現状

第2章 紛争後社会、平和構築の起点

第3章 現代の紛争と歴史的経緯

第4章 平和構築の枠組みと方法

第5章 NGOの平和構築活動

第6章 予防外交、国際社会の取り組み

終 章 市民参加で造る平和な社会 

あとがき、参考文献


(1)第3章までを踏まえての第4章でレデラックと言う人の

 「ピラミッド図」は面白い。

 平和構築のアクターをトップリーダー・中範囲リーダー・

 草の根リーダーに区分して夫々の役割を説明している。

 なるほどと思い、非暴力平和隊の役割を考える上で

 ・・・どれに当てはまるということではないが・・・

 参考になると感じました。 


 (2)第5章でオックスファムについで照会されている

 「インターナショナル・アラート(IA)」
 ・・・予防外交や紛争予防の分野に特化・・・

 が紹介されている。
 「紛争地域で活動するにあたり、
 第一に最良の地域パートナーを選ぶこと、

 そして第二に市民社会を強化する
 プログラムを推進することを中心に据えている」というあたり、

 非暴力平和隊(NP)の考え方の妥当性が

 裏づけられるように感じました。


  (3)IAについでPBI(国際平和旅団)が

 「PBIの非暴力への試み」、

 「コロンビア・プロジェク トとガンジーの非暴力思想」の

 2節・6ページにわたって紹介されている。

 
 「国際的存在意義は、積極的な非暴力を推進すること、

 暴力を防ぐと言う国際的な共同戦略を通して

 政治的社会的なプロセスに紛争当事者を巻き込むことである」     
 

                                   鞍田東

「非暴力で平和をもとめる人たち」 平和と戦争の絵本・4

タイトル:平和と戦争の絵本〈4〉非暴力で平和をもとめる人たち
著者:目良 誠二郎, 石井 勉 
(大月書店 2003年2月、38ページ、1800円)


非暴力で平和をもとめる人たち


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水戸でNPを説明する会合を開いた日、

準備が済んで一寸時間が空いたので

隣の茨城県立図書館を覗いたらこの本に出会いました。

殆どの漢字にふり仮名を振った大きな文字の

ページの半分以上が絵となっている「絵本」です。

いわきへ戻って市立図書館を探したら

ありましたので 読ませて頂ました。

知らないことが一杯ありました。

そして こうゆう本があること、

公共図書館に備えられていることに 感心しました。

「もくじ」を紹介しますと


 ・戦争に反対したふたりの女性国会議員 ランキンとリー

 ・仕返しの戦争に講義した女子高校生 ケイティ・シェラ

 ・最高裁で戦争批判の権利をみとめさせた ティンカー兄妹

 ・炎となってベトナム戦争に抗議した人 アリス・ハーズ

 ・女性の平和運動を世界にひろげた人 ジェーン・アダムズ

 ・非暴力で独立・自由・平等・平和の実現を ガンジーとキング

 ・3・1独立運動を支持した日本人 柳宗悦と石橋湛山

 ・沖縄のガンジーとよばれた農民 阿波根昌鴻

 ・子どもが戦車を見たことのない国を フィゲレスとアリアス

 ・国旗敬礼の強制は憲法に違反する 

   バーネット事件とジャクソン判事

 ・ヒトラーに屈しなかった作家 エーリッヒ・ケストナー

 ・兵役を拒否した日本人 矢部喜好・灯台社の人びと

 ・平和へのひとすじの希望をうむ イスラエルの高校生たち

 ・核兵器をなくすために生涯をささげる ケイト・デュース

 ・『核の植民地支配』とたたかう 南太平洋の女性たち

 ・世界がもし100人の村だったら ドネラ・メドウズ


最後のページに これは小さい文字で

「参考文献」と「参考にしたHP」が載っていますが、

「参考にしたHP」に「『非暴力平和隊』の提案」が紹介されていました。



「市民的不服従 政治理論のパラダイム転換」

タイトル:市民的不服従
著者:寺島 俊穂 (関西大学教授)



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「市民的不服従」(寺島俊穂著、風行社発行)という本を

紹介したいと思います。
私がいま読みかけている本です。

329頁、3,150円(税込み)と少し高い本かも知れませんが、

読みごたえはありそうです。


 第1章 市民的不服従の論理
 第2章 ソローとガンディー
 第3章 M.L.キングと公民権運動
 第4章 指紋押捺拒否の思想と運動
 第5章 兵役拒否の思想
 第6章 市民的防衛論の検討
 第7章 非暴力防衛の思想
 第8章 憲法第九条と戦争の廃絶


という内容で、ソロー、ガンディー、キング牧師の思想の核心に

迫ろうと試み、ジーン・シャープやガルトゥングの考え方

についても触れられており、

憲法第九条の経緯と非暴力原理について書かれています。


私は最後の章から読み始めたのですが、最後のほうで、

 「憲法の前文と第九条が要請していることは、
  非暴力による紛争解決への道であり、

  その実績を積んで行くことが日本政府および

  日本国民の今後の課題となるであろう。

  非暴力による紛争解決というのは、

  国際紛争に対しては、紛争解決のため、

  また紛争時の人命救助のため非武装、非暴力で貢献し、

  日常的には戦争や暴力紛争の予防のために

  尽力することである」


と書かれており、非暴力平和隊(NP)やGPPAC*の目指すものと

同じ道であることを主張されておられます。


また、論議の的になっている自衛権についても、

武力に頼ることなく、


 「非暴力的手段で積極的に闘い、

  自分たちの社会を守るという意味で『非暴力自衛権』

  という言い方のほうが憲法第九条に適合していると考えている」


と書かれています。


なお、著者の寺島さんは、「憲法9条の会・関西」の講演会で

お話をうかがったことがあり、その際に

WRI(War Resisters' International、戦争抵抗者インターナショナル)

のことを教えていただいた方です。


                   非暴力平和隊・日本(NPJ)理事 

                                 小林 善樹

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*GPPAC

Global Partnership for the Prevention of Armed Conflict

(武力紛争予防のためのグローバルパートナーシップ)の頭文字。

詳しくは、こちら をご覧ください。


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非暴力平和隊・日本(NPJ)の理事である小林善樹さんの紹介で

いわき市立常磐図書館にリクエストしたら買ってくれた本書を

ほぼ読みましたが、一冊手元に欲しいと思っています。


まず「はじめに」に、


 「どのようにして侵略戦争に対して自衛戦争以外の

  抵抗手段を見いだすことができるのかという問題について考察する」


とあります。


第Ⅰ部「市民的不服従の思想と実践」の

第1章「市民的不服従の論理」にも


 「外国軍の侵略という事態が起こったとき」

  

 「侵略に対する抵抗運動としても」


 「侵略に対する、市民的不服従も含む

  非暴力手段による民衆抵抗の有効性」


などという言及があります。


第Ⅱ部「戦争廃絶の論理」では、第5章「兵役拒否の思想」に続き

第6章「市民的防衛論の検討」、第7章「非暴力防衛の思想」で

現時点での丁寧な検討がなされています。

そして第8章「憲法第九条と戦争の廃絶」で結ばれています。

これですべてということではありませんが、

宮田光雄さんの「非武装国民抵抗の思想」 (1971年)で

途切れてしまったいたのかと思っていたものが

このような形で継承されていること、とても嬉しく思いました。

(丁寧な参考文献もありがたいと思っています)


憲法が問題になっている今、

「非暴力抵抗」は「非暴力平和隊」と左右の両輪をなす

貴重なオルタナティブの提案だと思います。
「NP・日本」としても その規約の「目的」に付け加えることを

検討するべきではないかとさえ 思いますが 如何でしょうか? 


合掌


                          鞍田 東

終わらぬ「民族浄化」セルビア・モンテネグロ

タイトル:終わらぬ「民族浄化」セルビア・モンテネグロ

著者:木村 元彦 (集英社新書、2005年6月)



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1999年 ハーグ市民アピールで 

「非暴力平和隊」を作ろうということになった直接の契機は

ユーゴ紛争・・・NATOのセルビア空爆であったと聞いてから、

自分が 新聞・TVの報道を 通り一遍に

見聞きしていただけであったことに気づき 

目に付いたものを読むことにしています。


この本は 木村さんが 2001年から2004年にかけて

コソボ・マケドニア・セルビア・モンテネグロ・ボイボディナを歩き、

そこで見聞きしたことの報告です。


先ず 事態の悲惨さ、むき出しの暴力の怖さに打たれます。

戦争・殺し合いが始まってしまうことは

なんとしても避けなければと 思わざるを得ません。


そして そのような状況を作り出して行く

「普通の」人間の怖さに 言葉を失います。

ここで これを煽る人たちを非難してみても 始まらない。


どうやって 「普通の」人たちが煽られないように してゆけるのでしょうか。

僅かに学んだ「非暴力平和隊」の精神~手法を 

どのように この場で活かすことが出来るのでしょうか。


武力が答えにならないという意味では

非暴力介入が最後の選択肢であることを信じますが

では 具体的に どのような道筋で介入できるのか

そして効果は 期待できるのでしょうか。


こうゆうことを考えるうえで とても貴重なルポルタージュとして 読みました。                                


合掌

                                   くらたあづま

「焼身」

タイトル:焼身

著者:宮内 勝典 (集英社、2005年7月)



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文学書という形をとっていますので 

或いはフィクションが混じっているのかもしれませんが、

私は 宮内さんご自身の 釈広徳(ティク・クワン・ドック)師の

事跡とお人柄を求めてのベトナム(とカンボジア)への

「心の旅」の記録として読ませていただきました。

 

宮内さんは 9.11の翌年、

昔(1963年)に見た新聞の「焼身」の写真を思い出し、

名前も分からなかったこの僧侶の実像を求めて

約40日 ベトナムを訪れ、この方に縁の場所を探し、

この方を知っている人を探します。

やがて この方の焼身「供養」の場所を尋ねあて、

「供養」に間近に関った方にも出会い、

その中で この「供養」の意義について

宮内さんなりに「理解(?)」されます。


最後に近く こうゆう文章があります。


  「『クアン・ドック師は、どんな人でしたか』

   老僧は十秒ぐらい間をおいてから、さらりと言った。

   『ブッダの生まれ変わりだった』

   『・・・・・・』

   私は あっけにとられていた。


   (中略)


   『かれは日常生活においては、全く平凡な僧にすぎなかった。

   だが危機的な状況において、彼は英雄になったのだ』」


       ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・


   「菩提樹の木陰でブッダの意識に浮上してきた何かは、

    ・・・・わたしの母国にも辿りついた。

    ・・・・南へくだり、生まじめで愚直なだけが取り柄の、

    なんの面白みもない人にとり憑いた。

    X師に宿ったのだ。

    そうゆう意味で、X師よ、

    あなたはたしかにブッダの生まれ変わりとなった。」



もちろん 当時(そして現在)のベトナムの状況について、

この方の修行・布教の経歴について、

『心血の決心』という一週間前に書かれた手記について、

そして クアン・ドック師の「焼身供養をしたいという請願書」が

採択されたことで始まる数日間のとても具体的な経緯についても

宮内さんが受け止められた筋道に沿って 丁寧に記されています。

そして 宮内さんご自身の 心の旅・・・・・「非暴力」についての模索が

通奏低音になっていると思いましたが、

私には これを要領よく報告する力がありません。


宮内さんが「『犀の角のように、ただ独り歩め』というブッダのことば

・・・この一行だけが私にとっての仏典だった」と

書いておられる箇所がありました。

この一句、私が40歳代に 

仏教に惹かれるきっかけとなった言葉でしたので

とても嬉しくなりました。            

合掌    


                           (2005.8.17.  鞍田東) 

パレスチナから報告します・・・占領地の住民となって・・・

タイトル:パレスチナから報告します 占領地の住民となって
著者:アミラ・ハス, くぼた のぞみ (筑摩書房、2005.5、2400円)



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新聞の書評で読みたくなり 市立図書館にリクエストして

読んだのですが、いくつもの意味で とても学ばされました。


一つは パレスチナの普通の人たちの状況についてです。

新聞記事・・・「それぞれの時点」で「現地」で書かれ、

掲載されたた文章37件です!


もう一つは 著者 アミラ・ハスさんの生き方についてです。 

イスラエルの新聞の記者として 1993年からガザに、 

その後西岸地区に住み着いているのだそうです。


そして その姿勢。

勿論「非暴力平和隊そのもの」ではありませんが、

イスラエルの政策・現地の軍の行動への 

パレスチナの政府・武装集団への 事実に即した「報道」の姿勢・文章、

そしてその「取材行動」は、「非暴力介入」そのものだと思いました。


この本は その様な意味で 多くの方に お読み戴きたいと想いますが、

お忙しい方には 土井敏邦さんの「解説」、

その中のアミラ・ハスさんへのインタビューだけでも

立ち読みして頂きたいと思いました。                   


                                     (鞍田東)